休憩室:Chapter-11

GMのアメリカ合衆国連邦倒産法11章適応が決まった。

米国との取引や契約にたずさわった人であれば、Chapter-11Chapter-7の意味は承知されていると思う。

変化への対応を誤ったといわれているが、一方で変化を加速させる要素がふえているのも事実だ。


グローバールでの相互依存度

GMに限らず自動車産業は垂直型企業体だ。関連や下請け企業も含めると影響力は甚大である。日本もこの破たんで100社以上が債権の不良化に直面しているといわれている。

テクノロジー依存

プリウス、インサイトのハイブリッド車が話題となっているが、既に、エタノール、水素、電気といった次世代エネルギーを使った車が走りまわっている。IPプロトコルを持った移動体、iPhoneにタイヤを付けた移動体と考えれば、新たなサービスビジネスの可能性も生まれている。技術分野での競争激化も見逃せない

リアルタイムコミュニケーション

Google以前と以後とも言われているが、情報の検索時間、伝達速度や量も飛躍的に増えている。IT技術の発達で政策や対応の結果が市場やお客様の反応となって即座に現れ、新たな問題や課題を抱えることになる。


しかし、GMの問題というか、GMを見ている人たちが問題視しているのは、本業の生産性、競争力そして将来性ではないだろうか。


IT、金融、医薬、保険証券などの業界と比べると、自動車産業を含めた製造業の生産性は低い。事実GMは一時期、自動車ローンを担当する子会社GMACが利益の80%を上げていた。

米国を一つの企業と考え、事業のポートフォーリオを組む場合、生産性の高い事業と安定性のある事業を組み合わせてみる。おそらく、この中に自動車産業は入らないと思う。生産性の差異は、製造業とIT、金融、医薬とでは100倍も異なる場合がある。GMCiscoやIBMの生産性を比べればあきらかだ。


合従連衡は世の常だが、垂直産業型から水平分業による変化への対応により実現している。

勿論、企業間格差も広がっており、負け組、勝ち組の議論もあるので一概に産業区分だけで判断は出来ないがいずれにせよ自動車産業の生産性は低いといえる。

今後の解決策は、①生産性の高い部門への資源集中、②事業領域の見直しを行い、不採算領域を切り離しアライアンス戦略で乗り切るのであろう。


しかし、つまるところ、米国政府は生産性の低い米国の自動車産業を見捨てるのではと思う。


コメント

  1. 勝手な推測
    車社会は成熟期を過ぎたと思います。
    若者の車離れと高齢化による車離れが加速。
    今後は公共交通機関に回帰するのでは。
    地球環境の上でもそうなるのではと思っています。

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